NHK鹿児島NEWS WEBに解説コメントを提供 「安倍元首相銃撃事件 容疑者をモデルにした映画 上映中止に」

NHK鹿児島NEWS WEB

安倍元総理大臣を銃撃した山上徹也容疑者をモデルに制作され、全国13か所で公開予定だった映画をめぐり、「テロを容認するのか」などと抗議が相次ぎ、鹿児島市の映画館では上映が中止になりました。このことを扱ったニュース番組で、コメントを提供しました。

(以下、志田コメント部分のみ抜粋)

【専門家は“批判のためにも上映の機会を”】

今回の問題について、「表現の自由」に詳しい武蔵野美術大学の志田陽子教授は、(しだ・ようこ)映画は民主主義社会において重要な役割を果たしているとしてまずは上映されることが大事だったと指摘しています。

志田教授は、「映画というメディアは社会に重要な問題を知らせるのに報道に次ぐ重要な役割を果たしていると今では言えると思います。

特に社会的問題を私たちがそのままでは自分事としてイメージできなかったり、さまざまな問題がたくさんあるなかで線でつないでいくのは映画ならではのものです。

映画の中身に関してはさまざまな意見がありうると思いますが、そのさまざまな意見というのは批判の自由として開かれておくべきで、そのためには批判の対象となる映画が上映される機会は確保されるべきだった」と話していました。

また、志田教授は、言論空間とはお互いに批判したり批判を受けて改良していく空間であるべきだとした上で、「批判して一発退場させるとか、批判を受けたら一発退場しないといけないという考え方は、言論空間のもともとの考え方と違って、粘る基礎体力がかなり失われている、または失わせてしまう動きだと思います。一発退場型の攻撃というのは表現の自由の本来の理念とは相容れないと思います」と話しています。

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