安保法制違憲訴訟 岡山地裁で学者証言
7月28日に岡山地裁で開かれた公判で、原告4名と識者4名の証人尋問が行われました。志田は憲法学者として出廷し、「人格権」に関するこれまでの判例・学説に照らして、原告の訴えが法的にどう位置づけられるかについて解説を行いました。
また、この原告の訴えを審理するためには(とくに、仮に原告の請求を棄却するのであれば)その前提として、国の行為が違法でないことを確認しなければならず、この確認のためには国の行為が憲法に適合しているかどうかを審査しなくてはならないことを述べました。
国の行為に憲法違反があったかどうかについては、宮崎礼壹・元内閣法制局長官、濱田邦夫・元最高裁判事が証言を行い、これがどれだけの現実的危険性を生じさせているかについては半田滋・法政大学講師(安全保障ジャーナリスト)が証言を行いました。
当日中に山陽新聞デジタル版に掲載されました。
集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法は憲法違反だとして、岡山県民ら560人が国に損害賠償を求めた訴訟の証人尋問が28日、岡山地裁で開かれ、宮崎礼壹・元内閣法制局長官が「安保法制は憲法9条の文言や政府解釈に明白に違反している」と述べた。
第1次安倍政権を含む2006年9月~10年1月に長官を務めた宮崎氏は、戦力不保持を規定した9条2項が自衛隊を「自衛のための最小限度の実力組織」と根拠付けていることに触れ、「他国防衛のための実力は戦力との評価を免れない」と指摘した。
また、歴代政府が集団的自衛権の行使について全面的か部分的かを問わず違憲との立場を取ってきたとし、「従来の政府解釈の論理的範囲内とした安倍政権の説明は全くの虚偽だ」と説明した。
元最高裁判事ら証人3人と原告4人への尋問も行われた。
岡山、広島など全国22地裁・支部で起こされた集団訴訟の一つ。一、二審とも原告敗訴が続いている。(2021年07月28日 19時29分 更新)
翌日(7月29日)の山陽新聞(紙版)で報道されました。