サイゾーウーマンにロングインタビュー掲載

前篇 10月9日掲載
選挙演説へのヤジ排除は「なぜ許されない」? 憲法学者・志田陽子氏に聞く「表現の自由」

そもそも日本の公職選挙法は、一般人と政治家の生のコミュニケーションを取りにくくさせている法律とも言えます。例えば候補者やそのサポーターが、有権者を戸別訪問して、直接、政策の説明をすることは禁止されているのです。そんな中、選挙演説というのは、一般人と政治家が直接コミュニケーションを取れる大変重要な場面です。候補者やその応援者にとって、確かにヤジは気持ちのいいものではないと思いますが、しかし、民主主義においては、賛否両論あるのが当然、たくさんの異論がぶつかり合いながら、有権者の考え方を集約していくことが大事なのです。ヤジを排除するというのは、異論を押さえつけることになり、民主主義においてあってはならない表現抑圧と言えるでしょう。 …

後編 10月10日掲載
「韓国ヘイト」への批判は「表現の自由」を脅かすのか? 憲法学者・志田陽子氏の見解

表現の自由においては、誰かにとって「不快」な表現も出てきます。しかしその時、上が規制をかけるのではなく、不快な思いをした人たちが「嫌だ」と声を上げることによって、人々の力で軌道修正していくのが望ましいのです。こうした「自己修復能力」が、今の日本社会にはまだあると思う半面、「失われつつあるのではないか」とも…。もし差別を受ける当事者が身の危険を感じ、口をつぐんでしまう社会状況になった場合は、罰則を設けた法規制もあり得るのではないか…

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