2022年6月18日(土)14:00~ 多文化社会を「きちんと」論じるとは ――『アメリカ多文化社会論[新版] 「多からなる一」の系譜と現在』を読む

2022 0618 トークラウンジ

シノドス・トークラウンジで司会を務めました。ゲストは同志社大の南川文里氏です。

多文化社会を「きちんと」論じるとは ――『アメリカ多文化社会論[新版] 「多からなる一」の系譜と現在』を読む

多文化社会を「きちんと」論じるとは ――『アメリカ多文化社会論[新版] 「多からなる一」の系譜と現在』を読む

この回では、社会学・アメリカ研究を専門とする南川文里氏をゲストに迎え、最近に新版が刊行された『アメリカ多文化社会論[新版] — 「多からなる一」の系譜と現在』(法律文化社、2022年)を取り上げました。

著者の南川さんからは、この新版の意味、読みどころなどを、シノドス・ライブラリーで解説していただきました。この解説の中で南川さんは、問題を「きちんと」論じることを重視しています。

南川さんによれば、「紆余曲折はあれど、多様性を尊重する態度が定着しつつあると思えたアメリカで、白人中心の世界観を隠そうとしないトランプが大統領となることで、これまでの多文化社会論の前提がいくつか覆されました」。このことについて、「行き過ぎた多文化主義に対する反発」という語り方が多かったのは、南川さんのご指摘のとおりです。そのような議論は、多文化主義についての誤解を多分に含んでいるので、そうした皮相的な語りにたいして、「きちんと」した理解にもとづいて議論しよう。アメリカが置かれた歴史的文脈とその特性を明らかにすることで、多文化であるのに多文化主義的な取り組みを忌避してきた日本においても、「きちんと」議論ができるようにしていこう。というのが、この新版著書に込めた思いだった、と、南川さんは語っています。

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