『新聞研究』2020年10月号に論説掲載

2020 1001 新聞研究「ヘイト」表紙アップ

連載「ヘイトスピーチを考える
6・最終回
「共存社会の作法の共有を――コロナ禍で再認識した表現の価値」

2020年、新型コロナウイルス感染防止を最大の関心事とすることとなった社会では、表現、文化芸術、教育の分野が大きな影響を受けた。とくに人間が生身で出会う「集会」の価値は、コロナによって阻まれたことで再認識された。「動く集会」と呼ばれるデモ活動も同じである。こうした表現活動の場面では、「祭り」に通じる魅力と活力が、「表現」の重要な要素なのである。こうした要素が、民主主義の基礎体力を支えてきたことにも、あらためて思いを致すべきだろう。しかし一方で、そのような説得力と影響力をもつからこそ、こうした集会がヘイトスピーチの場となったときには、法が無視できない問題となる。

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