日本経済新聞に談話掲載

20210507 日経新聞 改憲論議 識者に聞く 志田コメント掲載記事トップ画像

5月7日記事「改憲論議 識者に聞く 国民投票法改正案、今国会成立へ」の中で、インタビューを掲載していただきました。

(志田の発言部分のみ抜粋)

志田陽子・武蔵野美術大教授「最低投票率も検討すべき」

検討課題として国民投票法の付則に入ったCM規制は重要な論点だ。国民投票の際は多様な見解を広く世の中に示すことが大事になる。広告の氾濫で小さな声が押し流されてしまうのは望ましくない。広告の総量規制によって言論の流通を保証するのが望ましい。

法には含まれていないが最低投票率の議論もしてほしい。国民投票に関心を持つ人が少ない場合に、一部の熱意ある人だけの意見で決めるべきではない。多くの人に何が問題で改正するのか、情報が行き渡るような公正な情報提供も必要だ。

新型コロナウイルス禍で緊急事態条項を求める声もあるが、全く必要がない。コロナ禍においても13条の幸福追求権や25条の生存権を守るため国が必要な政策をとるのは当然だ。

私権とぶつかる場面もあるが、財産権などはそもそも公共の福祉に適合しなければならない。必要性や合理性がない私権制限は問題だが、現憲法のせいで有効な政策が打てないというのは筋違いの議論だ。

憲法改正を国民に問うならば、前提として十分な判断材料が必要だ。特に安全保障分野では機密情報が開示されない事例が多い。投票にあたって政府が情報を誠実に明らかにする姿勢が絶対の前提になる。

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