「現代アートをめぐる文化戦争とは」 シノドス・トークラウンジで司会

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シノドス・トークラウンジ 「現代アートをめぐる文化戦争とは」 小崎哲哉(ゲスト)・志田陽子(聞き手)

「アートは境界を広げるためにある。世界を豊かにするためにある。才能あるアーティストは、我々凡人が想像すらできないことを、形にして体験させてくれる。ここで「豊かに」というのは政治的に正しいこととは限らない。欲望、妄想、狂気など、一般的には害悪や毒と見なされるものも含まれる。害悪や毒を肯定しろと言うのではない。アートは、世界にはあらゆるものが存在しうるという事実を提示し、我々にその事実を認識させることによって、我々の世界観を拡張する。…」(『現代アートを殺さないために ソフトな恐怖政治と表現の自由』カバーより)

このような、広げること/広がることの可能性を無限にもったアートの中でも、現代アートは、「文化戦争」と呼ばれる政治社会の波に翻弄されてきました。とくにアメリカと日本では、この傾向が極端な形で起こりやすいため、境界に立って境界を問う《アートの呼びかけ》が封じられやすく、それがもたらす「豊かさ」が一般社会になかなか届かないのが現状です。この傾向が日本ではっきりしたのは2019年からだったように見えますが、じつはこの傾向は、ずっと以前から進行していました。

小崎哲哉氏は、この問題に、深い考察と洞察を示してきたアートプロデューサーでありジャーナリストです。シノドス・トークラウンジでは、この小崎氏の近著『現代アートを殺さないために ソフトな恐怖政治と表現の自由』を取り上げ、同じ「文化戦争」を考察課題にしてきた憲法研究者・志田陽子(聞き役)とともに、現代アートの「不自由」問題を読み解くトーク・セッションを行いました。

★このトーク・セッションの内容は、電子ジャーナル『α-シノドス』Vol.294(2021/12/15)に記事として収録されました。

vol.294

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