「「表現の自由」は誰のものか――一人ひとりのために、共存社会のために」月報司法書士に論文掲載

2023-0515 月報司法書士2023年5月号表紙

月報司法書士に論文が掲載されました。

(論文冒頭「はじめに」より抜粋)

個人の自由と、共存社会を支える統治とは、常に連環の関係にある。しかし現実には、個人と為政者の間で、個人と社会(マジョリティないしホスト社会)の間で、また個人と個人の間で、常にねじれや衝突が生じる。異論というものが起きない完全な調和の世界というものは、おそらくどこにもない。むしろ、衝突や異論があることによって、社会はハンドルを調整しながら進んでいく。その試行錯誤ができることが、「表現の自由」が想定している「自由」のあり方だろう。もしも、「不快」の声がまったく上がらない社会があるとすれば、声をあげたい人々が何かを怖れて沈黙している《絶対的差別社会》か、声があがる可能性を何者かが先回りして神経質に摘み取っている《表現の不自由社会》かのどちらかに陥っていないか、と疑ってみる必要があるだろう。…

現実の社会の中で「表現の自由」問題が起きる場面は多岐にわたる。その全体を通じて、今、「表現の自由」は誰のものか、と問い直す必要があるのではないか。…

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