軍事的危機と「表現の自由」の価値 『シノドス』に論説掲載

軍事的危機と「表現の自由」の価値-シノドス

 

(本文から一部抜粋)

当事国内外の一般市民が進んで状況を知らせ、これを世界の一般市民とメディアがリレーする形で情報共有がまたたくまに進み、さらに各種の団体や個人がマスメディアを介さずに声明や談話などを発信していく、という流れが、今回特有の新しい展開である。今後は、ロシアやウクライナの国内で市民への言論弾圧が起きれば、すぐさまその現場映像付きの情報が世界に流されるだろう。また、サイバー戦がインターネット空間やエネルギーなどのインフラに与えうる影響や経済制裁の市場への波及力を考えると、地理的に離れた場所に暮らす人間たちにとっても、一人ひとりの当事者性は、格段に高まっている。

(中略)

今回は、ネット上の情報共有や声明の発信を見る限り、言論空間に参加する人々の間に萎縮ムードが広がっているというふうには見えない。むしろ、萎縮に自覚的に対抗する談話がSNS上でもメディア上でも見られるようになっている。筆者もその中の一人でありたいと自認しているが、こうした状況でこそ、「表現の自由」を確保することの大切さを確認する必要があると感じている。…

 

軍事的危機と「表現の自由」の価値

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