「脅かされる表現の自由」 AERAにインタビュー掲載

アエラ2021 0628号 p25 志田コメント掲載ページ2

各地で起きる「表現の不自由展」妨害問題について、AERAからインタビューを受け、コメントがAERA6月28日号に掲載されました。

(志田コメント部分のみ抜粋)

憲法学者の武蔵野美術大学の志田陽子教授は、今回の妨害活動は「批判の自由」を踏みはずしていると指摘する。「批判の自由も表現の自由の一環として全ての人に認められます。しかし展示を中止に追い込む抗議活動は、批判の対象となった展示物を第三者が見ることができなくなるというアンフェアな状態を生じさせます。これは批判の限度を超えた表現への実力的な妨害です」

(中略)

また、妨害者の行動を「表現の自由」だといって放置するのは公平性を欠くと述べる。「今回はまず、企画展を開催しようとした主催者側の表現の自由があります。それが妨害された時、妨害者側と主催者側、どちらも表現の自由だという『どっちもどっち論』は取れません。主催者側の表現を不可能にさせた妨害者の行動は、表現の自由が許される限度を超えた違法行為として捉えなければならない」。

(中略)

「自分にとって嫌いな表現であっても、表現の土俵を奪ってはいけない。批判するにも作法があります。平穏生活権を害したり、名誉棄損や侮辱に当たる行為は許されない。その知識と意識を社会が共有し、見解の違いを超えて表現の自由を守る社会的環境をつくっていく必要があります」

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