法学館憲法研究所にて連載シリーズがスタート

法学館憲法研究所「なせ『文化・芸術と憲法』か連載開始にあたって」キャプチャ画像

法学館憲法研究所に、拙稿を掲載していただきました。連載シリーズのスタート序文です。

「なぜ『文化・芸術と憲法』か 連載開始にあたって」

生命と社会を支える文化芸術

 文化が人の生存を支える。人は文化なくしては生きられない。これが、文学や芸術を愛好する人々の気構えの話にとどまらず、普通の人々の生命や生活の話なのだということが、コロナ禍を通じて明らかになってきた。コロナ禍以来、「フレイル」という症状が主に高齢者の間で広まってしまったが、これは外出やリアルな人的交流が少なくなったため心身の活動量の少なくなった人が、認知症と同様の要介護状態に陥るというものである。そうなれば、自分で自分の生命・生存を支えることも困難になる。人が生き生きとした内的活動をもってかかわる《文化》が、その人の生存そのものを支えている、ということが、リアリティをもった知識として共有されるようになったのである。「フレイル」予防のために栄養摂取や運動とともに社会的・文化的活動をするよう呼びかけている自治体サイトも見られるようになった。…

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