Yahoo!個人オーサーのページに論説投稿 「取材活動と性暴力――裁判報道と二次加害」

裁判報道と二次加害

(本文から一部抜粋)

7月8日、安倍元首相が選挙演説中に銃撃を受け、逝去した。いかなる事情があろうと、この銃撃自体は許されない行為だ、ということは、誰もが合意するところだろう。人の身体に異物を撃ち込んで決定的な損傷を与え、思考者・発言者としての息の根を止めることは、人の生命・尊厳・人格を尊重する観点からも、民主主義を守る観点からも、許容されない。ここに合意できる社会であるならば、それが性暴力という形で起きることも、許してはならない、ということに合意できるはずである。それは誰もがわかっているに違いないのだが、わかっているのに繰り返されるのが、性暴力である。

この分野での報道は、社会にある種の怒りを啓発する役割を負いつつ、冷静な報道を求められる。…

(この記事は、『新聞研究』2022年8-9月号に掲載された判例評論の一部をクローズアップして、加筆リライトしたものです。)

「取材活動と性暴力――裁判報道と二次加害」

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